鬱病(うつ病)の鍼(はり)灸・整体治療

 「鬱病(うつ病)は、鍼(はり)灸や整体治療で治るのでしょうか?」というお電話をよくいただきます。

 腰痛などの外科的な症状であれば、「大体何日くらいで良くなると思います。」というお話が出来るですが…..精神疾患については「分かりません。」としか言いようがありません。

 問い合わせには、「治るかは分かりませんが、現在苦しまれている症状の緩和はできます。まずは1年を目安にしてください。」とお答えしています。

 鬱病の患者さんは、身体症状として「首・肩こり、睡眠障害、疲労感、倦怠感、頭痛、頭重感など」を訴えます。これらの症状には、鍼灸治療や整体治療がとても有効で、治療を終えると、これらの症状が緩和され、気分が良くなり、頭がすっきりし、よく眠れるようになると言われています。

  東洋医学では、「陰主陽従」という言葉があり、身体が陰だとすると、心は陽となります。つまり、「身体への治療が心に響く」ということです。体の調子が良くなることによって、心も少し軽くなるのです。

 このような良い循環を作るきっかけに、鍼灸や整体治療を受けてみることをおすすめします。

 鬱病で来院される方もここ15年程で増え、多くの患者さんを治療することによって、色々な経験をしてきましたが、 鬱病は脳神経の可塑性変化が原因だと言われていますから、可塑性変化をおこした神経が正常に戻るにはやはり時間がかかります。

 あせらず、ゆっくり治していきましょう。

 海外での研究ですが、

 仮面鬱病(隠れ鬱)

 疲労感(倦怠感)、睡眠障害、食欲減退、頭痛、肩こり、背部痛、口渇、腹部不快感、便秘、下痢、心悸亢進、胸部圧迫感、呼吸困難、頻尿、月経不順、めまいなどの主訴で来院されますが、本人の訴えと身体の状態が合わないことが多く、治療効果の出方が普通の方とは違います。

 注意深く問診していくと、仮面うつ病であることが多々あります。

 こういう場合には、仮面うつ病の可能性を本人にお話して、一度精神科を受診して貰います。先ずは自分が鬱病だという事を認めないと、ドクターショッピングも治りませんし、鍼灸・整体治療も進めることが出来ません。