坐骨神経痛④ トリガーポイント

 坐骨神経痛とは異なるのですが、坐骨神経痛のような痛みを起こすことがあります。

 それが「関連痛」です。

 関連痛とは、身体のある部位が原因で起こる痛みを、原因となる部位から離れた部位に感じる痛みのことを指します。狭心症や心筋梗塞のとき、胸が痛むだけでなく、左肩が痛んだり、胆嚢の障害では右肩が痛んだりすることを一般の方でも聞いたことがあると思います、これらを内臓の関連痛といいます。

 これと同じように腰や臀部の問題で、坐骨神経痛のような大腿後側の痛みを感じることがあるのです。

 この腰や臀部の問題点をトリガーポイント(発痛点)といいます。

 トリガーポイントとは過敏化した侵害受容器といわれ、このトリガーポイントによる痛みやその他の症状を引き起こす症候群を、筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome, MPS)と呼びます。日本では筋痛症と呼ばれることもあります。

 緊張型頭痛、顎関節症、五十肩、テニス肘、ゴルフ肘、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変形性股関節症、変形性膝関節症、頚腕症候群、腱鞘炎などと診断されていても、実はこのトリガーポイントが原因の場合があります。

例えば…..

 坐骨神経痛 〜 小殿筋、多裂筋のMPS 

 腰から臀部 〜 腰方形筋のMPS

 頚腕症候群 〜 上後鋸筋のMPS

 三叉神経痛 〜 咬筋、側頭筋、表情筋のMPS

 肋間神経痛 〜 多裂筋のMPS(胸椎椎間関節症の症状)

 心臓神経症 〜 多裂筋、大胸筋のMPS(胸椎椎間関節症の症状)

 このトリガーポイントと経穴(東洋医学のツボ)は8割が一致していると言われ、鍼治療がとても良く効きます。 概ね数回の治療から改善がみられます。