ゴルフ肘、テニス肘

 ゴルフ肘を正式には上腕骨”内側”上顆炎、テニス肘は上腕骨”外側”上顆炎といいます。前腕(肘から下)の外側の筋肉が付着するのが上腕骨外側上顆、内側の筋肉が付着するのが上腕骨内側上顆となり、それらの筋肉の使い過ぎにより、微小筋断裂、滑液包炎、石灰化などをおこした状態となります。

 名前にはゴルフ、テニスと付いておりますが…

 ゴルフの右打ちの場合

 右の前腕内側の筋肉の使い過ぎ〜上腕骨内側上顆に負担

 左の前腕外側の筋肉を使い過ぎ〜上腕骨外側上顆に負担

 テニスの右打ちの場合

 フォアハンドでの使い過ぎ〜上腕骨内側上顆に負担

 バックハンドでの使い過ぎ〜上腕骨外側上顆に負担となり、テニス、ゴルフとは関係なく、どちらも傷める可能性があります。

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上腕骨外側上顆炎・テニス肘

 上腕骨外側上顆に付着する筋肉には、尺側手根伸筋、総指伸筋、短撓側手根伸筋、長撓側手根伸筋、回外筋があり、この中でも「短撓側手根伸筋」が関係していると言われています。

 短撓側手根伸筋は中指に付きますので、「中指伸展テスト」という検査が、上腕骨外側上顆炎の診断に用いられます。他には「チェアテスト」「トムゼンの手技」という検査を合わせます。

 鍼治療では、3つの検査を行い、「中指伸展テスト」での痛みが1番強い場合には、短撓側手根伸筋を主眼に、差が見られない場合には伸筋群全体を緩めるように治療していきます。整体治療は前腕の筋肉に関係する頚椎の調整をしていきます。

上腕骨内側上顆炎・ゴルフ肘

 上腕骨内側上顆に付着する筋肉には、尺側手根屈筋、長掌筋、撓側手根屈筋、浅指屈筋、円回内筋があり、この中でも「撓側手根屈筋」が関係していると言われています。

 鍼治療ではこれらの筋肉を緩めるように治療していきます。整体治療は前腕の筋肉に関係する頚椎の調整をしていきます。

 上腕骨外側上顆炎、上腕骨内側上顆炎共に初期の段階では「アイシング」がとても有効です。練習後には保冷剤等で上顆と該当筋肉を冷やすと良いでしょう。

 安静第一となりますが、これらの筋肉は日常生活で多用するため、なかなか安静には出来ませんので、慢性化する方が多々あります。

 出来る限りスポーツを制限し、初期症状の内にしっかりと治療された方が良いでしょう。

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