筋筋膜性腰痛 腸腰筋

 腸腰筋は大腰筋と腸骨筋の2つの筋肉を合わせた総称です。

 大腰筋は胸椎の12番から腰椎の4番の肋骨突起から大腿骨の小転子に付着。

 腸骨筋は腸骨の内面上部から小転子に付着。

 支配神経は共に腰神経叢筋枝。

 急性の筋筋膜性腰痛で、腸腰筋が原因だと確信出来る患者さんはなかなかいません。私が分からないだけかも知れませんが…..。

 他の筋肉を急性の筋筋膜性腰痛で傷め、その影響で腸腰筋の過緊張を起こし、腸腰筋を治療しなくては症状が緩和されないという状況はありますし、慢性の腰痛症では腰方形筋と共に意識しながら治療をしていきます。

 中腰姿勢から身体を起こす動作で痛みを訴えますが、下の図のようにとても深い処にある筋肉ですので、どこが痛いかを患者さんに聞いても分からないと言われます。多裂筋の場合には、浅いため背骨の辺りを指されますので鑑別になります。

 また起床時の腰痛に関与していると言われますが、これは慢性腰痛患者さんの特徴でもあります。朝起きると腰が痛く感じるが少し動いているうちに楽になる、休みの日にゆっくり寝ていたいが、腰が痛くて寝ていられないという症状です。

 就寝中の循環障害と起床動作が腸腰筋を引き伸ばす為に起きます。どちらも腸腰筋が軟かければ起きませんので、腸腰筋を緩める治療が必要となります。 

 鍼治療では側臥位にて、大腰筋に向け刺入します。整体治療は支配神経が出る腰椎の調整をしていきます。

 慢性の腰痛症の場合には、腸腰筋だけが悪いことは無く、他の筋肉も硬くなっており、筋肉だけの問題で済まないことも多々ありますので、治療期間は定かではありません。

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