線維筋痛症
線維筋痛症の原因
線維筋痛症の原因は不明ですが、中枢性感作症候群(CSS)と関連があると言われています。中枢性感作症候群とは脳や脊髄が過敏に反応してしまうことから起こる「様々な症状をいいます。外からの刺激に対し、脳や脊髄が過敏に反応することで、アレルギーの脳版と考えるとわかりやすいと思います。
線維筋痛症の症状
身体の広範囲に慢性の痛みが持続的、あるいは断続的に見られ、痛みの種類は鈍痛や鋭利な物で刺されるような痛みもあります。日内変動、季節や天候、精神的ストレスなどによって、痛みが悪化します。
- 痛み〜全身痛、関節痛、筋肉痛、内臓痛
- 膠原病様症状〜こわばり、乾燥症状(目、口)、手の腫脹、口内炎、発熱、レイノー現象、かゆみ
- 身体症状〜疲労、筋力低下、便通症状、冷え、ほてり、息苦しさ、体重変動、アレルギー症状、嚥下痛、月経困難症
- 精神症状〜睡眠障害、不安感、抑うつ感、焦燥感、物忘れ、意識障害、頭痛、しびれ感、めまい、浮遊感、耳鳴り
線維筋痛症の鍼(針)・整体治療
まず、線維筋痛症に対する鍼や整体治療は効果があるのかという点についてですが、一部の線維筋痛症にはとても有効であると考えています。この「一部」というのは、「筋肉」が関係しているタイプのものです。このタイプであれば、早期に改善を感じやすいでしょう。舌痛症の場合、症状が限定的であるため、数回の施術で改善が見られることが多いですが、線維筋痛症では改善を実感するまでにもう少し時間がかかる印象です。概ね5〜6回の治療で改善がみられると思います。
筋肉が関係していないタイプの症状については、3カ月ほど治療を継続していただき、その後に判断していただきます。
線維筋痛症は、「外側翼突筋」という顎の奥にある筋肉とも関連があると言われています。鍼治療では、この筋肉を直接緩めることが可能です。また、線維筋痛症の診断基準にある18箇所の圧痛点は、そのまま鍼治療のポイントにもなります。
これらの治療によって「痛み」が改善されると、精神的にも非常に楽になると感じられる方が多いです。
そのため、まずは痛みを改善しつつ、他の身体症状にも東洋医学的にアプローチしていくという流れになります。
参考資料