ストレートネック ストレートバック

 背骨は首の骨(7個)、胸の骨(12個)、腰の骨(5個)からなっています。背骨を後ろから見ると下のイラストのようになっています。

こんなに綺麗に背骨が並んでいる人はほとんどいませんので、ご安心下さい。

 また、横から見ると、背骨は前後にわん曲している事にお気づきになりましたか?

 首の骨は「前」、胸の骨は「後ろ」、腰の骨は「前」となっています。背骨がわん曲していることによって、真っ直ぐになっていた場合に比べて「10倍」もの強度が出るそうです。

 最近はこれらのカーブが減少することにより、様々な問題を引き起こす「ストレートネック」「ストレートバック症候群」が増えてきています。

ストレートネック

 スマートフォンの利用増加により、とても増えています。

 肩と耳の前が一直線に並んだ角度0度の時、頭の純粋な重さ約5kgが首にかかります。頭を前に傾ける角度が増すにつれ、15度で12Kg 30度で18Kg 45度で22Kg 60度で27Kgと負荷が強くなっていくそうで、首はこの重さを支え続けなくてはならないため、頚肩部がとても凝ります。こちらを参考にして下さい。

 ストレートネックが原因とされる主な症状は、肩や首のこりですが、それ以外にも腕の痛みやしびれ、背骨の変形、頭痛、眼精疲労、吐き気、めまい、慢性的なだるさ、血行不良など、さまざまな症状が見られることがあります。

 ストレートネックに対する治療は、「現在抱えている症状への対応」と「ストレートネックそのものの改善」の二つに分けて考えることが大切です。

 ご自身がストレートネックであるかどうかは、自分ではなかなか判断できません。そのため、多くの方は病院で診断されて初めて気づくことが多いです。医師はレントゲン画像をもとに、正常な状態と異なる点を確認し、頚椎の前弯(本来あるべきカーブ)が減少していれば、「ストレートネックですね」と診断します。ただし、その時に感じている症状がストレートネックによるものかどうかまでは、はっきりとはわかりません。

 ストレートネックが原因とされる症状の多くは、鍼灸や整体治療によって軽減できます。そのため、「自分の症状はストレートネックが原因だ」と決めつけず、まずは現在の症状を改善することに目を向けることが大切です。

 また、ストレートネックそのものが整体治療で簡単に治るかのように書かれていることもありますが、実際にはそう簡単なものではありません。首の骨をボキッと鳴らすような施術で改善するものでもありません。背骨がボキッと鳴るのはこちらをお読み下さい。一日の中で何時間も前傾姿勢をしているわけですから、その姿勢を改善していかなければ治りません。

ストレートバックシンドローム

 本来胸の背骨は後ろのカーブを持つのですが、カーブが無く真直ぐになっている状態をストレートバックといいます、それが原因で様々な症状を訴えますと、シンドローム(症候群)という名前がつきます。胸椎椎間関節症と重複すると思われます。

 胸の背骨と背骨の間から出る神経は、背骨が後ろのカーブをもつことによって出口が確保される構造になっています。これが真直ぐになることにより

  • 関節に負担がかかれば関節付近の痛み、背部のこり、痛み

 ストレートバックによる背部痛などは左右の肩甲骨と肩甲骨の間に出ることがほとんどですが、背骨の状態によってはもう少し下の方まで症状が出る場合もあります。

 また易疲労、動悸、息切れ、胸が苦しい、深呼吸が出来ないなどを訴えることもあります。ストレートバックによる胸苦しさや息切れの症状はかなりつらい症状なのですが、病院で検査しても問題は見つからないため、あちこちの病院をまわられる方もみえます。また、うつ病などの精神疾患の患者さんが訴える息苦しさもストレートバックが関係していることが多々あります。

 ストレートバックだけでなく背骨の”側弯(横へ弯曲)”を伴いますと、全体的に症状がひどくなります。利き手の反対側に弯曲することが多いため、肋間神経痛は左がほとんどです。

 ストレートバックによる愁訴には整体で胸椎を調整し、鍼を併用すると即効性があります。ストレートバックそのものが治るわけではありませんが、1回の治療で8割程の症状がとれると思います(肋間神経痛を伴う場合には、数回の治療が必要)。

 病院で問題ないと言われていて、上記症状でお困りの方はご相談下さい。

 症状は適切な治療をすれば改善しやすいのですが、日常生活で胸椎が前に入るような姿勢や動作が多い場合は再発しますので、どのよう気をつけたら良いか?ストレッチ方法などは治療時には細かく説明させて頂きます。

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