おしりの痛み、だるみ
おしりの痛み、だるみの原因は上下の2つのエリアに分けることが出来ます。
お尻の上の方が痛い、だるい
上臀部の痛み、だるみの原因には、「筋肉」「神経障害」が考えられます。
筋肉が原因
臀筋のコリが一定以上になりますと、上臀部に痛みやだるみを感じるようになります。
初期は立位が続いた時、徐々に座位でも症状が出てきます。軽く歩行している時には楽で、距離が長くなると症状が出始めます。
右利きの方は、左重心となりますので、ほとんどの方が左側に症状が出ます。
鍼灸治療では、臀筋を緩めることを主眼とし、腰部、下肢の筋肉も緩めていきます。
整体治療では腰椎の調整をしていきます。
慢性化していない状態であれば、数回の治療で概ね自覚症状は消えますが、完全には緩みませんので、症状が消えてから、数回の治療を続け、再発しない状態までもっていきます。
神経障害が原因(上殿皮神経)
図の水色の部分(腰椎の1〜3番)から出る神経(上殿皮神経)に障害が起こると、上殿部に痛み、だるみを感じるようになります。初期では、立位や座位で症状がでますが、徐々に寝ていても弱い痛み、だるみを訴えます。
上殿部を押さえると、とても痛みを感じますが、これは上記の筋肉が原因の時も同じですので、鑑別にはなりません。腰椎の1〜3番の骨の横を押さえると痛みを訴えることが多く、これを指標にしております。
鍼灸治療では、上殿皮神経の走行を考慮し、腰椎1〜3番、骨盤の上部、上臀部を緩めていきます。
整体治療では、腰椎1〜3番の調整をしていきます。
神経障害では、神経障害の原因(筋肉のコリ、背骨の狭窄)を取り除いた後、2〜3週間ほどで神経が再生されることによって症状が改善されます。
ですので、治療直後の効果はあまりみられません。臀筋が緩むことによって自覚症状は軽くなりますが、神経が再生するまでは根本的には治りません。
概ね1ヶ月程で良くなります。
お尻の下の方が痛い、だるい
下臀部の痛み、だるみの原因も上臀部と同じように、「筋肉」「神経障害」が考えられます。
筋肉が原因
筋肉が原因の場合には2つの原因があります。
1.臀筋(大、中、小臀筋)、
外旋六筋(梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋、大腿方形筋、外閉鎖筋)
臀筋が原因の場合と、外旋六筋が原因の場合があります。問診、触診、検査によってどこの筋肉が原因かをつきとめ、治療をしていきます。治療方法は治療を施術する筋肉が変わるだけで、上臀部と同じになります。
臀筋、外旋六筋のどちらが原因でも、おしりから足にかけての痛みを伴うことがあります。
2.下肢の筋肉
太ももの後ろ側の筋肉が骨盤の骨に付着しますので、この筋肉が緊張するとお尻の下に痛みを感じます。特に座った時に痛みが顕著となります。
神経障害が原因
図の水色の部分(腰椎、仙骨)から出る神経に障害が起こると、下殿部に痛み、だるみを感じるようになります。いわゆる坐骨神経痛が一般的ですが、陰部神経の場合もあります。
坐骨神経痛の場合には、臀部だけでなく、下肢にも症状が出ることが多くなり、陰部神経痛の場合には会陰部に痛みやシビレを伴います。
坐骨神経痛に関しては、こちらを参考にして下さい。