下部尿路症状
下部尿路症状(Lower urinary tract symptoms: LUTS)とは,下部尿路に関連する症状を指し,蓄尿症状,排尿症状,排尿後症状に大別されます。
蓄尿症状
膀胱蓄尿時にみられる症状
- 頻尿(昼間頻尿・夜間頻尿)
- 多尿(昼間多尿・夜間多尿)
- 膀胱充満(感)症状(膀胱充満感亢進・尿意切迫)
- 尿失禁症状(切迫性尿失禁・腹圧性尿失禁・夜尿)
排尿症状
- 遷延性排尿(尿が出にくい)
- 腹圧排尿(尿をするのにお腹に力をいれる)
- 排尿時痛
- 尿勢低下(尿の勢いが弱い)
- トイレ恐怖症
排尿後症状
- 残尿感
- 排尿後尿意
- 排尿後尿滴下(排尿後下着をつけてから、尿が少しもれてくる)
上記の3つに大別される症状のうち、鍼灸・整体治療の効果が高いのは「蓄尿症状」です。
排尿症状の主な原因としては、神経因性膀胱や、男性では前立腺肥大症が挙げられます。しかし、器質的な問題がある場合、鍼灸や整体治療の効果はあまり期待できません。
一方、蓄尿症状の中で最も多く訴えられるのが「頻尿」です。
頻尿とは
個人が正常だと考えるよりも排尿回数が多すぎるという愁訴を指します。一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合を「頻尿」としますが、正式に規定されているわけではありません。患者さん自身が排尿回数が多く、困っていると感じる場合に頻尿とされます(昼間頻尿)。
夜間頻尿とは、夜間の睡眠中に1回以上トイレに起きることを指します。ただし、高齢の方では2回以上でも本人が困っていなければ問題ありません。
次回は、頻尿を訴える病気の一つであり、40歳以上の約14%(8人に1人)が罹患しているとされる「過活動膀胱」についてになります。