慢性前立腺炎・慢性骨盤痛症候群・間質性膀胱炎
慢性前立腺炎・慢性骨盤痛症候群とは
細菌感染をともなわない前立腺炎で、下腹部から大腿、陰茎や陰嚢、会陰部、肛門周囲の痛みや不快感、違和感などの症状が出現します。前立腺炎という病名がつけられていますが、前立腺付近の会陰部だけでなく、腰、尿道、大腿、鼠径部、下腹部など、前立腺とは離れた場所にも疼痛などの症状が現れることがあり、「慢性骨盤痛症候群」とも言われます。
多くの場合おしっこが近い、尿意切迫感、おしっこが出しにくいなどの下部尿路症状を伴います。
間質性膀胱炎とは
細菌を伴わない炎症があり、膀胱に関連する慢性の骨盤部の疼痛、圧迫感または不快感、尿意亢進や頻尿などの下部尿路症状を伴います。ハンナ病変を伴う間質性膀胱炎です。
膀胱痛症候群とは
ハンナ病変を伴わない間質性膀胱炎です。
鍼・整体治療
病名はさまざまありますが、症状はよく似ているため、病名にとらわれず、患者さんの症状の軽減を目指して治療を行います。ただし、間質性膀胱炎(ハンナ病変を伴う)と診断されている場合、効果を実感するまでに時間がかかることがあります。
上記の疾患のうち、間質性膀胱炎(ハンナ病変を伴う)以外は、週1回の治療を約4回ほど受けると効果を感じることが多いです。一方、間質性膀胱炎(ハンナ病変を伴う)の場合は、8〜12回の治療が必要となります。
また、間質性膀胱炎(ハンナ病変を伴う)は、発症から数年間は治療の効果が期待できますが、発症から5年を過ぎると効果を得ることが難しくなる傾向があります。
鍼治療では陰部神経のからみが考えられますので、梨状筋、仙棘靭帯、仙結節靭帯、内閉鎖筋への刺鍼、仙骨上のツボ(次髎・中髎)への刺鍼をおこないます。
仙骨上のツボの刺鍼にはおしりの割れ目辺りまで、内閉鎖筋への刺鍼時には尾骨先端の外方部分に刺鍼しますので、その部分まで下着を下げる必要があります。
整体治療では腰椎、仙腸関節の調整をしていきます。
参考資料