脳卒中の後遺症への鍼治療

 脳卒中治療ガイドライン2021(2025改定)において鍼治療は以下の様に記載され、痛みや痙縮だけではなく、後遺症で悩む多くの患者さんのQOLを低下させる症状に対して鍼治療が有効であることが認められています。

 

肩手症候群とは

 肩手症候群とは、主に脳卒中後の片麻痺や外傷、心筋梗塞、頚椎症などを契機として、肩から手・手指にかけて痛み、腫脹、運動制限が生じる症候群です。脳卒中発症後3か月以内に、肩の痛み、手指の熱感・発赤・腫脹、運動制限などがみられるのが特徴で、慢性期には皮膚や筋の萎縮、関節拘縮をきたします。脳卒中後の20〜30%に合併するといわれ、複合性局所疼痛症候群(CRPS)のType Iに分類されています。

肩手症候群への鍼・整体治療

 鍼治療のポイントは健側です。

 基本的には、患側の症状がある部位への刺鍼が中心となります。しかし、患側には神経障害があるため反応が起こりにくいことや、視床痛などで過敏になっている場合もあります。そのため、患側への刺激は控えめにし、健側への刺激を通して脳の血流増加を図ります。

 また、整体治療では関節の可動域を広げることを第一に行います。

痙縮について

 鍼治療が痙縮に対して有効であるとする論文は多くありますが、まだ方法がバラバラで確立されておりません。ただし、電気刺激が有効であることや、鍼治療単独あるいは運動療法単独ではなく、これらを併用することで効果が出ることが分かってきています。

参考文献

摂食・嚥下障害について

 摂食・嚥下の流れはとても複雑なプロセスです。

 神経障害による咽頭筋、喉頭筋への伝達が乱れ。筋力低下による食塊形成力、運搬力の低下。感覚鈍麻により食塊の位置把握ができない。協調運動が障害されるなどの原因でおこります。

 鍼治療は、病院で行われる嚥下リハビリテーションと併用して行うことが望ましいと考えます。

 摂食・嚥下は姿勢ととても深い関係があり、円背になりますと舌骨の位置が変化し舌骨の動きが悪くなり、嚥下筋機能を阻害しますので、整体治療で姿勢矯正を行ないます。

 参考文献

鬱(うつ)について

 こちらをご覧ください。

参考文献

 ・脳卒中ガイドライン解説