腰痛の鍼(針)治療・整体治療
腰痛は、一生のうちに約84%の人が経験すると言われています。
入院患者を含まない腰痛の有訴率(自覚症状のある人の割合)は約8.5%で、男性では最も多い愁訴、女性では肩こりに次いで2番目に多い症状となっています。
「腰痛症」とは、坐骨神経痛などの神経症状を伴わない腰痛であり、明らかな器質的病変が認められないものを指します。
ここでいう「器質的病変がない」とは、レントゲンなど整形外科的検査で明確な異常が見つからない状態を意味します。
腰痛の原因としてよく書かれているのは
- 椎間板ヘルニア
- 椎間板変性
- 脊椎症等の変化
- 椎体の骨折や脱臼
- 骨粗鬆症
- 心理・社会的要因
上記のうち、心理・社会的要因を除いたものについては、器質的病変が認められるケースです。たとえば、「椎間板変性による腰痛」といった診断名が付けられることがあります。
しかし、器質的病変の程度と腰痛の強さには明確な相関関係がないことが知られています。これは腰痛に限らず、他の慢性的な痛みにも共通する現象です。
たとえば、椎間板ヘルニアの突出が「1」の状態で痛みが「1」、突出が「5」になれば痛みも「5」になるといった単純な関係は存在しません。
当院のような鍼灸・整体院に来られる多くの患者さんは、整形外科で器質的病変を指摘された後に受診されます。しかし、治療によって症状が改善していくことは多くあります。
これは器質的病変が改善したわけではなく、身体の使い方や神経系の働き、心理的な要因への治療によって痛みが軽減しているのです。
鍼や整体でヘルニア自体が消えるわけではありませんから……。
つまり、「ヘルニアはあるけれど、痛みやしびれはない」という状態は十分にありえるのです。
これは、他の症状についても同様です。
たとえば、背骨の変形、脊柱管狭窄症、椎間板狭窄症、分離すべり症などと診断されていても、痛みが出ない状態になることが多々あります。
したがって、病院で指摘された器質的な異常と現在の痛みは、必ずしも一致しないということを前提に、柔軟な視点で治療を進めていくことが大切です。
代表的な腰痛症は以下を参照下さい。