舌痛症の鍼(針)治療・整体治療
舌痛症とは
舌のヒリヒリ、カーッとした痛みまたはピリピリした不快な異常感覚が、1日に2時間以上で3カ月以上にわたって連日繰り返すもので、臨床的に明らかな原因疾患を認めない病態ということになっています。
舌に痛みを感じる割には、食事中にはあまり痛みを感じません。
舌痛症の原因は
50〜70歳代にかけての女性に多く、男女比は1対9といわれています。
一般的には、心因性、微量元素不足、薬の副作用、カンジタ菌症が原因とされますが、原因が特定できない舌の痛みとも言えます。
発症契機は歯に冠をかぶせたり、入れ歯をつくるなどの歯科治療後が多く感じますが、それが真の原因というわけではないと思います。
舌の前2/3の知覚は三叉神経の第3枝である舌神経が、後ろ1/3は舌咽神経が支配しています。この舌神経と舌咽神経を麻酔薬でブロックしても、舌の痛みに変化が見られないため、ブロック注射による治療は行われていません。器質的(舌そのもの)な異常、その知覚を伝える神経の問題ではないということです。
そのため、現在病院では抗不安薬による治療が行われています。
抗不安薬は、ストレスや不安の軽減、中枢神経系への働きかけによる知覚の抑制、そして筋肉の緊張緩和を目的として使用されます。ある程度の方は、抗不安薬によって症状が改善するようです。
多くの人が歯科や精神科を受診した後に来院されるため、上記の原因に基づく治療が効果を上げず、症状の発症から時間が経過していることがよくあります。
当院では顎回りの筋肉が原因の一つだと考えており、その治療を主におこなっております。
舌痛症の鍼(針)治療・整体治療
鍼灸治療では、ストレスによる筋緊張を緩和することを目的に、主に頚部や肩部を中心に施術を行います。特に、顎周辺や顎下の筋肉に過緊張が見られる場合には、丁寧に筋肉を緩めていきます。唾液の分泌量が少なくなる(ドライマウス)ほど症状が悪くなる傾向があるため(交感神経が優位な状態)、唾液分泌を促進する治療も併せて行います。
抗不安薬や鎮痛剤が効かない症状に対して、なぜ鍼治療が効果的なのか?
- 神経系を刺激して、鎮痛作用のあるエンドルフィンなどを体内で分泌させます。
- 鍼治療は自律神経系に働きかけ、特に副交感神経を活性化させることでリラックスを促し、ストレスを軽減します。
- 筋緊張を緩和させ血流を促進し、血液の循環を改善します。これにより、緊張や不安を緩和し、体全体のリラクゼーションを助けます。
- セロトニンやドーパミンなどの脳内神経伝達物質に影響を与え、気分を安定させる働きがあるため、不安感の軽減に寄与します。
整体治療では、頸椎の調整だけでなく身体のバランスが悪いことによって、頚椎、顎関節に負担がかかりやすくなりますので、全体調整が必要となります。
当院では、初診から2週間の間に3〜4回の治療をお願いしております。この治療間隔で施術を行うことで、筋肉が原因となっている舌痛症には必ず何らかの効果が現れます。その後は1週間に1回くらいのペースでの治療となります。
参考資料