月経困難症(月経痛・生理痛)
月経困難症とは
月経困難症とは、月経に伴って起こる下腹部痛や腰痛などの骨盤痛、頭痛、吐き気、下痢、便秘などの症状を指します。
月経困難症は「原発性」と「続発性」に分類されます。
- 原発性月経困難症は思春期に発症し、加齢とともに軽減する傾向があります。子宮に明らかな異常が認められない場合は、機能性月経困難症とされます。
- 続発性月経困難症は成人期に発症し、骨盤内の異常が原因となります。子宮内膜症や子宮筋腫など明らかな器質的疾患があれば器質性月経困難症、異常が認められなければ機能性月経困難症と分類されます。
なお、機能性月経困難症は全体の約47%を占めるといわれています。
機能性月経困難症のメカニズム

月経困難症の鍼灸・整体治療
月経痛に対する鍼治療はとても効果があります。
私がまだ鍼灸学生だった頃、妹の月経痛に対して「三陰交」というツボに鍼をしたところ、その瞬間に痛みが消えた経験がありました。その時に「鍼はこんなにも効果があるのか」と強く実感しました。
機能性月経痛に対して、効果がまったくなかったという経験はほとんどありません。もちろん効果の度合いには個人差がありますが、ほとんどの場合に有効です。
鍼灸治療では、骨盤内の血流改善と痛みを感じる神経の鎮静化を目的とします。主に使用するのは、腰背部・下腹部(関元、天枢)・仙骨部(次髎、中髎)・三陰交などのツボです。
整体治療では、腰椎や骨盤のバランスを調整していきます。
未成年の方の場合、毎月の服薬に不安を感じることもあるかと思います。同じように、鍼に対して恐怖感を持たれる方も少なくありません。そのような場合には、皮内鍼や円皮鍼といった恐怖感の少ない方法を用いることも可能で、一定の効果が期待できます。加えて、お灸(千年灸)、マッサージ、ツボ押しなど、ご家庭でできるセルフケアも指導しています。
治療のタイミングとしては、症状が出る直前が最も効果的です。1週間前までに治療できると望ましいです。服薬では毎月の効果に変化は少ないのに対し、鍼灸や整体の場合は3か月ほど継続すると痛みが軽減し、その後は症状がさらに軽くなっていくケースが多く見られます。
子宮内膜症や子宮筋腫などの器質性月経困難症の場合には、機能性月経困難症ほど効果にクリアさがなく、個人差がとても大きくなる傾向があります。