筋筋膜性腰痛 横突棘筋(半棘筋、回旋筋、多裂筋)

横突棘筋はインナーマッスルと呼ばれる深層筋となります。

半棘筋

 半棘筋は胸の背骨から始まる筋肉ですので、今回は省きます。

回旋筋

 回旋筋は長短の二種類があり、胸の背骨で発達しています。

 図の回旋筋は1つ上の背骨に付いていますので、短回旋筋、これがもう1つ上の背骨に付くのが長回旋筋となります。

多裂筋

 多裂筋は頸多裂筋、胸多裂筋、腰多裂筋があり、腰部で発達しています。

 下の図は胸椎12番辺りの横断面です。この辺りでは脊柱起立筋(最長筋、腸肋筋、棘筋が発達していますが、第3腰椎の横断面では脊柱起立筋との割合が1:1となり 、それ以下では多裂筋が多くの割合を占めます。

 このため、急性の筋筋膜性腰痛はこの多裂筋を受傷して起こすことが多いと考えられます。

 上の図では多裂筋のごくごく一部を載せておりますが、仙骨後面及び全腰椎乳様突起、副突起から始まりから2〜4つ上の背骨の棘突起に付いています。

 支配神経は脊髄神経後枝の内側枝となります。

 多裂筋の受傷初期では痛い場所を「ココ」と指差すことが出来ますが、時間が経つにつれ、多裂筋全体に炎症反応がおよび、痛みの場所がぼやけてきます。

 椎間関節性腰痛と同じく、脊髄神経後枝外側枝に影響が出始めると、痛めている場所から斜め下の方向(臀部、大腿部など)に痛みが放散し始めます。

 鍼治療は、背骨のキワから多裂筋を意識して刺鍼をします。整体治療は初期では胸椎の調整をし、急性期を過ぎてからは多裂筋が付着する腰椎の調整をしていきます。

 急性の筋筋膜性腰痛は概ね数日から1週間ほどの治療で良くなります。

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