坐骨神経痛② 椎間板ヘルニア 脊柱管狭窄症 分離すべり症

 坐骨神経痛は「腹痛」「頭痛」と同じく症状の名前となりますので、何が原因で坐骨神経痛を起こしているかが重要になります。

 原因には大きく分けて2つあると思います。

 1. 背骨・神経の出口(神経根圧迫)に原因がある。

 2. 筋肉に原因がある。

 1.背骨・神経の出口に原因がある場合

  • 脊柱管狭窄症(背骨の中にある脊髄の通り道が狭くなり、神経根や馬尾神経を圧迫する)
  • 椎間板狭窄症(背骨と背骨の間が狭くなり、神経根を圧迫する)
  • 腰椎椎間板ヘルニア(背骨と背骨の間にある椎間板が飛び出て神経根を圧迫する)
  • 腰椎分離すべり症(背骨のある部分が切れて分離してしまい、その分離した骨や瘢痕組織が神経根を圧迫する)などが考えられます。

 神経痛のところでも書きましたが….

「レントゲン、MRI検査での器質的病変の度合いと、患者さんの訴えている痛みなどの症状には相関関係はありません。」

  例えば、病院にて脊柱管狭窄症と診断された方が、当院での治療で改善することは多々あります。しかし、改善した後にもう一度検査しても、画像上は変化はありません。

 現在の痛み、シビレの原因が病院での診断名だとは言えないのです。逆に診断名が原因の100%を占めている場合には、手術をしない限り良くなりません。

 例えば椎間板ヘルニアが100%原因の坐骨神経の場合、ヘルニアを手術で取り除かなくては治りません。ところが、100%占めているかどうかがMRIなどの画像からは分からないのです。

 ヘルニアの初期は炎症が強く起きていますので、その炎症が治まればその分症状は軽減されますし、ヘルニアそのものも数ヶ月後より萎縮が始まると言われておりますので、萎縮度合いにより症状が緩和されます。ですので、病院での治療や鍼灸・整体治療などの保存療法をしてみて、改善されなければヘルニアが100%原因なのであろうということになります。

 椎間板ヘルニアの初期で来院された場合には、炎症、萎縮を考慮し半年間、ヘルニアと診断されてから3ヶ月以上経過している場合には、2ヶ月間治療を施しても効果が全く無いような状態であれば、手術が適応されると思います。ヘルニアが原因の100%を占めていなければ、数回の治療で症状は軽減され始めます。

 椎間板ヘルニアは統計上、手術をした場合と手術をせずに保存療法を選択した場合、数年で差が無くなりますので、とにかく早く症状を抑えたいという場合には手術を選択し、手術を避けたい方や、痛み、シビレが許容範囲であれば、保存療法を続けられると良いでしょう。

 脊柱管狭窄症分離すべり症の場合、概ね3ヶ月程の治療をしても変化がみられない時には手術を考えて頂きますが、そのまま保存療法(鍼・整体治療)を選択される方もあります。

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